- トークン化株式の市場規模は約3,600億円と推定
- 取引の約80%が1株未満のサイズ
オンドとバックドが2大プラットフォーム
国際通貨基金(IMF)は「グローバル金融安定報告書」を発表。この第3章でトークン化の拡大について分析し、Ondo Finance(オンド・ファイナンス)とBacked Finance(バックド・ファイナンス)の両プラットフォーム合計でトークン化株式市場の70%以上を占めていると指摘した。
まずIMFは、レポ取引を除くと、トークン化資産の大半を占めるのは社債、資産担保型債券、マネー・マーケット・ファンド(MMF)であり、その規模は約480億ドル(約7.6兆円)に上るとしている。(2026年7月末時点)
これに比べると、トークン化株式の市場規模は推定23億ドル(約3,600億円)とまだ小さい。また、発行は特定のプラットフォームに大きく集中しており、オンド・ファイナンスとバックド・ファイナンスの2社でトークン化価値の70%以上を占めていた。両社は主に米国外の居住者に向けてサービスを提供している。
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価格発見機能など便益を分析
IMFはオンドとバックド2社が発行する最も流動性の高い5つの米国株関連トークン(S&P500、ナスダック100、テスラ、グーグル、エヌビディア)を対象として実証分析も行った。11の取引所にわたる365日分の5分間隔データを使用しており、対象銘柄は市場全体の約15%にあたる。
まず、トークン化株式取引の50%以上が、米国市場の通常営業時間外(夜間、週末、プレ/アフターマーケット)に行われていると指摘した。
24時間取引できるという特徴が、米国以外のタイムゾーンにいる投資家の取引ニーズや、市場休場時のニュース・イベントに対する即座の反応ニーズに応えるインフラとして機能していることが示唆される。
次に、トークン化株式における全取引の約80%が1株未満のサイズで実行されていることが分かった。細分化された株式に投資できる機能が個人投資家から広く利用されていることが窺える。
さらに、IMFは価格発見機能についても見解を示した。従来型市場が休場している夜間・週末に、2社のオンチェーン市場で形成されたトークン価格の変動が、翌営業日の従来型市場オープン直後の株価にどれだけ反映されるかを分析した。
その結果、夜間のオンチェーン価格の変動のうち、87〜99%が米国市場の寄り付き後5分で原資産に織り込まれていた。オンチェーンの取引価格は従来型市場と同等の情報セットを反映した「価格発見シグナル」として機能している可能性があることを示唆するものだ。
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トークン化株式市場のリスク
IMFは便益の他、トークン化株式市場のリスクについても言及した。まず、流動性の低さだ。大口で取引を行う機関投資家が不在でリテール(個人)投資家中心であることなどから、トークン化株式を扱う中央集権型取引所(CEX)は従来型市場よりも大幅に流動性が低くなっている。
このことも一因として、実現ボラティリティ(価格変動の大きさ)も、対応する従来型市場の原資産株式と比較して約1.5倍高くなっていた。薄い流動性に加え、夜間や週末など、取引高が少ない時間帯の価格変動が含まれることが背景だ。
また、従来型市場が開いている時間帯においては価格差の分布は0付近に集中しており、平均的には原資産の株価によく連動していた。ただし、分散型取引所(DEX)では中央集権型取引所(CEX)に比べて一時的な価格の乖離が頻繁に発生していた。特に、取引高が少ない取引所ほどこの傾向がみられたとしている。







