【貴金属】金融政策に注目、金と銀の価格が安定
出典:国元先物リサーチ
戦略的見解
一、市況回顧
5月4日時点で、貴金属市場は全体として弱含みの展開となった。ロンドン金銀はそれぞれ1.27%と3.3%下落し、COMEX金銀はそれぞれ1.65%と4.14%下落した。一方、SHFE金銀はそれぞれ1.04%及び1.83%上昇した。
二、重要イベント及びファンダメンタルズ
1. 金利スワップ契約の価格付けによると、市場参加者は2027年4月までに米連邦準備制度が25ベーシスポイントの利下げを行う確率を50%と予想している。最新の米国FOMC金利決定は据え置きとなり、金利上限は3.75%、下限は3.5%に維持された。今回のデータは市場予想や前回値と完全に一致している。現状、連邦準備制度は短期的な金融政策を安定させており、利上げや利下げの調整はなく、市場はすでに中長期の利下げペースを先取りして織り込んでいる。
2. 米国4月のリッチモンド連邦準備制度製造業指数は3となり、市場予想の1や前回値の0を大きく上回った。地域の製造業景況感は回復傾向を見せている。この指数は地域の製造業生産、受注、経営の景況変動を反映しており、今回のデータの大幅回復は、米国の一部製造業活動が以前の低調から脱却しつつあることを示している。景況の回復傾向が見られ、全米の製造業動向への先行指標ともなる。
3. 米国4月ISM製造業指数は52.7で、前回値と同水準だが市場予想の53.2を若干下回った。製造業新規受注指数は54.1と若干予想を下回るが、前回値(53.5)よりも高かった。製造業全体は依然として好不況の分かれ目である50を上回り、拡大を維持しているが、景況回復の勢いは限定的。新規受注の若干の改善は見られるものの、製造業雇用指数は46.4と予想及び前回値を大きく下回り、雇用の項目は比較的弱い動きとなっている。
4. 米国4月25日週の新規失業保険申請者数(万人)は18.9で、市場予想21.2及び前回値21.4を下回った。4月11日までの4週間、米国民間部門の雇用者数は1週間で平均39,250人増加、民間雇用市場は安定した成長の強さを保った。同時期4月S&Pグローバル製造業PMI最終値は54.5で市場予想及び前回値を上回り、製造業全体の拡大基調は堅固。製造業の景況は改善傾向を示しているものの、雇用セクターは弱含んでおり、産業の景況感と雇用状況に乖離が見られる。
三、ドル指数
先週のドル指数は一時上昇後に反落し、全体として97.7-99.00のレンジで推移した。短期的な利下げ期待は限定的で、据え置き方針がドル指数を下支えしている。米国4月リッチモンド連邦準備制度製造業指数は3へと上昇し、市場予想及び前回値を大幅に上回った。S&Pグローバル製造業PMI最終値も54.5と市場予想を上回り、製造業景況感の回復が経済の強さを示している。4月11日までの4週間で民間部門雇用は1週あたり39,250人増加し、雇用市場の安定成長がドルのファンダメンタルズを支えている。ISM製造業雇用指数は46.4と低調だが、新規受注や全体指数はやや予想を下回ったものの、全体としては依然拡大ゾーンにあり、明確な悪材料とはなっていない。総じて、米国経済の底堅さと連邦準備制度の据え置き方針は引き続きドルを支えるだろう。短期的には下値余地は限定的、中期的には経済指標の更なる好転に伴いドル指数は上昇を続ける可能性がある。
シカゴ・マーカンタイル取引所の発表によると、5月5日現在COMEX金在庫は2,920.27万オンスで、前週から1.5万オンス増加した。シカゴ・マーカンタイル取引所の報告によると、4月24日時点のCOMEX銀在庫は3億1,500万オンスで、前週比で39.45万オンス減少した。
五、ETF保有状況
5月5日時点でSPDRの保有量は1,034.05トンで、前週比6.86トン減少し、ファンド保有は若干縮小した。5月5日時点のSLV保有量は15,058.15トンで、前週比96.53トン減少、ファンド保有も減少している。
4月30日週時点で、上海金主力先物の建玉は153,650枚で前週比27,366枚減少。上海銀主力先物の建玉は176,377枚で前週比71,173枚減少した。
七、今後の展望
先週、貴金属はリスク回避感情の緩和局面にあった。現時点で米国とイランの緊張は一時的に緩和し、リスク回避感情も鎮静化。しかし、地政学的リスクは完全には解消されておらず、価格の底支えとなっている。今後は米連邦準備制度の利下げ路線が貴金属価格にどのような影響を及ぼすかに注目すべきであり、金・銀価格は下げ止まり、安定推移することが期待される。
編集責任者:朱赫楠
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